プラセンタ注射(更年期障害、慢性肝障害の方へ)
プラセンタとは、胎盤のことです。医療用医薬品として厚生労働省から認可されたヒト胎盤から抽出されたプラセンタエキスを注射(皮下又は筋肉)します。
更年期障害や疲労、肩こり、腰痛、肝機能障害などへの改善効果、さらに美肌効果、アンチエイジング効果があると言われています。
更年期障害にはホルモン補充療法以外にプラセンタ注射などによる治療があります。更年期障害の方への保険適応となるプラセンタ(メルスモン)の使用には年齢制限があり、45~59歳の女性の更年期障害は保険診療で治療を受けることができます。
更年期のチェックシート(簡略更年期指数(SMI))
症状 | 強 | 中 | 弱 | 無 | 点数 |
顔がほてる | 10 | 6 | 3 | 0 | |
汗をかきやすい | 10 | 6 | 3 | 0 | |
腰や手足が冷えやすい | 14 | 9 | 5 | 0 | |
息切れ、動悸がする | 12 | 8 | 4 | 0 | |
寝つきが悪い、または眠りが浅い | 14 | 9 | 5 | 0 | |
怒りやすく、すぐイライラする | 12 | 8 | 4 | 0 | |
くよくよしたり、憂うつになることがある | 7 | 5 | 3 | 0 | |
頭痛、めまい、吐き気がよくある | 7 | 5 | 3 | 0 | |
疲れやすい | 7 | 4 | 2 | 0 | |
肩こり、腰痛、手足の痛みがある | 7 | 5 | 3 | 0 |
合 計;
合計点数が25点以下の場合は、上手に更年期を過ごされているとされますが、51点以上の場合、診察や治療が推奨されます。
(出典;小山嵩夫、更年期・閉経外来、日本医師会雑誌 109: 259-264, 1993)
また、慢性肝障害(6か月以上)に対し、保険診療でプラセンタ(ラエンネック)注射を行うことで肝機能の改善効果を期待できます。
初診時;診察、問診、検査(血液検査(肝機能、必要時に女性ホルモンなど)・尿検査など)、注射
2回目以降;簡単な問診、注射
通院頻度;当初の1~2か月間は週2回、症状の改善に伴い週1回の注射が効果的です。
プラセンタの副作用、注意点;注射部位の疼痛、発赤、硬結、悪寒・悪心、発熱、発疹、掻痒感、ショック、肝障害、頭痛などが起こることがあります。
プラセンタは生物由来製剤のため、注射後は献血や臓器提供ができなくなります。注射の前に上記内容をご理解頂き、同意書にご署名が必要となります。
プラセンタ注射(メルスモン、ラエンネック)
保険診療;1回(1A);約500円(税込)
自由診療;1回(1A);1500円(税込)
1回(2A);2500円(税込)
いずれも、初診時は別途、診察代、検査代がかかります。
※メルスモン注射剤 限定出荷解除のお知らせ
メルスモン製薬株式会社から2023年2月17日付でメルスモン注射剤の出荷停止の連絡があり、メルスモン注射剤を新規に希望される方の受付を中止し、その後、2023年5月29日付でメルスモン注射剤の限定出荷となっておりました。この度、メルスモン製薬株式会社から2023年12月8日付けでメルスモン注射剤の限定出荷解除、通常出荷となる知らせがありました。当院では在庫状況を考慮しながらメルスモン注射剤を新規にご希望される患者様の受付を行って参ります。(2023年12月11日、横浜阪東橋・循環器内科外科クリニック)